投資運用アラカルト
投資運用に関わる色んな話題を中心に社会生活に関する幅広い問題をエッセイ風に肩の凝らない形で取り上げたいと思います。

プロフィール

Author:SS
1960年代から約50年に亘り、日米を中心に投資運用業界の遷り変わりを経験して参りました。今でこそ外資系の運用会社にお勤めの日本人は珍しくありませんが、私が米国の大手金融機関で仕事を始めた1970年代初頭には極めて少数の方に限られておりました。その後世界の政治経済体制は大きく変動して参りました。こんな変化の中で私が経験した事やそんな中で繰り広げられた人間模様の哀歓を、皆さんにお伝えできれば幸いと思います。



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熟年投資家の為に

熟年投資家 5-2-2012 001

既に何回か経過報告を致しましたが、先日完成した若年投資家の皆さんへの投資プログラムに続き、定年退職を迎えられた熟年投資家の皆さんのための運用プランとそれに付随する運用管理ソフトの開発に努めてきましたが、漸く当該管理ソフトが完成しました。「出来た!」と思っても素人プログラマーの悲しさで次々とプログラムにバグが見つかりその対応に時間が掛かってしまい、、今日ようやく完成しました。今ほっとしているところです。

申し上げるまでもありませんが、既に完成して関係金融機関の方とのお話合いに取り掛かっている若年投資家向けプランと同様に、特定の商品への投資の勧誘ではなく、あくまでも一般投資家の皆さんが正しい投資運用をされるように注意点を指摘することが目的です。

特に昨日の日経新聞でも指摘されたように、熟年投資家を主なターゲットとする毎月分配型投信では、投資家を引き付けるために、無理な分配を行い、元本が大きく目減りするケースも後を絶たないようです。このような被害を少しでも減らせればと思い、今回のプロジェクトを進めて参りました。

添付するソフトは完成しましたが、問題は如何にして一般の投資家、それも難しい投資理論などには興味のない熟年投資家の皆さんに私の意図を理解して戴くかという難題が控えて居ります。プランの中身の見せ方や説明方法等、若年投資家に対する以上に工夫を凝らさなければなりません。勿論分かり易い例題を含める必要もあるでしょう。

結果的に「こんな参考意見を聞いて置いて本当に良かった。」と言って頂けるような内容と説明にしたいと考えて居ります。よろしくご指導ください。

追伸: 完成した積りの添付ソフトが幾つかのケースで弾力性に欠けることが判明しました。目下対応策を
    講じて居ります。解決のための大凡の見当はついておりますので、数日中に解決できるとは思いま
    すが、考えの至らなかった自分を恥じて居ります。(5月5日)

追伸: 繰り返しになりますので、全くお恥ずかしい話ですが、完成した筈の上記のソフトでは、所有する
    ファンドの売却のプログラムが欠如していることに気が付き、急遽追加致しました。先に作った
    若年層向けのプログラムでは積立てることのみを前提にしておりましたから余程のことがない限り
    売却は考える必要がなかったのですが、熟年層の場合は、リバランス以外にも売却することも考え
    られますから、売却にも対応するプログラムとすることは不可欠になります。苦労しましたが、
    漸くプログラミングの追加を行いほっとしているところです。今回こそこれで完成と行きたいもの
    です。(若年層向けの場合は、売却をしますと、取扱い金融機関の投信積み立てプログラムそのも
    のからの離脱を意味すると考えます。)(5月10日)

熟年投資家の為に

熟年投資家の為に 4-22-2012 001
熟年投資家の為に 4-22-2012 002


何時もの事ですが、EXCELで作成した表をブログに挿入しますと何処かの解像度が悪く、不鮮明な表になってしまいます。残念ながら適当な方策が見つかりませんので、このまま掲載します。要は五つの毎月分配型投信を利用して毎月纏まった分配金収入を上げようとする熟年者向けの運用をした場合の、運用管理の表を作成したものです。上の表はこのケースの今年3月の運用データ(それぞれのファンドの購入金額や分配金受取額等の日付順の記録票です。この表を作成したソフトに入力しますと、下のような「月次勘定現況表」が自動的に作成されてパソコン上に表示されます。この表には皆さんの投資口座の概要(ファンド別投資金額、時価総額、分配金受取額等の他に、投資収益率や投資のリスク等)が含まれております。手計算でこの作業をしますと、普通の方でも一週間程度はかかるでしょうが、パソコンは10秒もかからずに処理してくれますから、大変に便利です。

最近、新聞紙上で十分な理解もしないままに毎月分配型の投信を購入し、気が付いてみたら投資金額の多くが消えていたと言う例が報じられております。これは勿論投信を販売する金融機関が、果たしてどれだけの説明を投資家にしたのかと言う問題があります。リターンが高ければリスクも大きく、資産が大きく増減するのは当然ですが、現在のような低金利時代には、リスクを無視して分配金リターンの高さのみに目を奪われる投資家が出てくるのは当然予想できる環境ですから、金融機関の責任は極めて高いと言えます。

同時に一方で、投資家サイドも自分が購入しようとする投信が分配金も多いが、 元本の目減りする恐れも高いことを十分に自覚する必要があります。問題は如何にして個人でしかも投資の知識の乏しい熟年投資家が事態を正しく理解するかです。詰まりは投資家教育の問題であり、当事者が場合によっては判断力や理解力の衰えている熟年層であることでしょう。従って、如何に金融機関が販売に当たって商品の説明をし、その時には投資家もある程度は理解したとしても、少し時間が経てば、殆んど説明されたことを忘れてしまうことは往々にしてあり得ることを前提にしなければなりません。即ち、何らかの方法で、金融機関は商品の購入者に対して、当人の投資の現状を分かり易く継続的に説明する必要があります。

私が今まで知る限りで、このような個人別の投資情報を熟年層に分かるような説明をしている金融機関は有りません。こう申し上げると、「いや我社は定期的に運用報告書を顧客に送っている。」と仰ると思います。しかし実態として、私が上に述べたような熟年投資家のために親身なサービスをしている金融機関はありますか?これでは金融機関は特に熟年投資家に毎月分配型の投信を販売する資格はないと言わざるを得ません。皆さんが販売する商品の元手は善良な市民が約半世紀をかけて、大変な努力をして老後の為に積立てた「お金」なのです。このことを本当に肝に命じて、お仕事をされることを切望して止みません。

このような状況下で、少しでもお役にたてばと思い、最初にご覧いただいた資料を作ってみました。80歳になろうとする老人が1から勉強して作成したPCプログラムですから、決して見栄えは良くないと思います。しかしこの表には毎月分配型の投信を購入した投資家が少なくとも毎月自分の運用資産がどうなっているのか、予想した投資収益率とどれほど離れているのか、リスクは自分の取りうるリスクの範囲内なのか、高い分配金を受け取った結果、投資元本はどうなっているのか等、最低限必要な情報は提示されていると考えます。

大切なこと事はこれらの必須う情報を如何にして投資家が理解できるような形で提供するかでしょう。若年層とは異なった視点での提供が必要ですね。折角ここまで頑張ってきましたから、最後の努力をしてみたいと考えて居ります。乞うご期待!


またまたプログラミング

Excel VBA 4-7-2012001何とか完成した若年層向けの投資運用管理ソフトに引き続き、熟年層向けに毎月分配型投信を幾つか組み込んだ運用管理ソフトの開発に乗り出しております。先日来新聞紙上を賑わしたように、熟年層の皆さんが毎月の収入の足しにと毎月分配型の投信に投資されるのですが、毎月の分配金の高さに惑わされて、気が付いてみると虎の子の運用資産そのものが大きく目減りし、「シマッタ」と気が付いた時にはもう遅すぎたと言うことを少しでも減らしたいと考えたからに他なりません。

ところがVBAを使ってのプログラミングは若年層向けに無分配型のインデックスファンドを使ったケースに較べて前提条件が極めて多義に亘り、プログラミングそのものが大変に複雑になります。今迄に習得したプログラミングの知識と技法だけでは対応できません。その結果、度々行き詰まり、左の参考書と首っ引きで頭を捻ることが多くなります。目下7合目辺りまで来ましたので、今週中には目途を立てる積りで頑張っております。原発のストレステストではありませんが、色々な環境下でもソフトが正常に作動するようにするのは大変です。熟年層の皆さんが少しでも泣きを見ないようになればと考えるのですが、それにつけても毎月分配型で高利回りの投信は、当然のことながらリスクも大きく、仕組みも複雑なものが多く、それだけに販売手数料や購入後の管理コストとして投資家にチャージされる信託報酬も高くなります。本当にこんな商品に投資して良いのか、本来高いリスクを取るべきではない熟年層が投資すべき金融商品なのか、考えられる点の多いプロセスです。

しかし現実には未曾有の低金利時代ですから、熟年層が少しでも高い利回りを求めて、毎月分配型投信の購入に走る気持ちも判らないでもありません。とすれば、投資家が自分の置かれた立場を考えて、それに何よりも商品の内容を十分に理解したうえで購入すべきです。何よりも大切なことは「ハイリスク商品」なだけにご自分のリスク許容度との兼ね合いで購入することが重要です。それだけに投資家は常に自分が現在どれ位のリスクを取っているのかを把握しておくことが求められます。この点が私が今回ご提示しようとしているソフトの要件になると考えます。問題はリスクを標準偏差で捉えるとして少なくとも最初の数カ月は有意な標準偏差を求めることは出来ませんから、この点の配慮も重要になります。試行錯誤のきらいもありますが、走りながら考えていきましょう。




日本の投信

日本の投信 3-29-2012

最近上の写真にある2冊の小冊子を読みました。私にとって内容は特に新しい事ではありませんが、私が予てから指摘してきた問題点と共通する事項や視点も多く、些か意を強くしながら拝見した次第です。

「金持ち資産の作り方」については、マネックス証券が提供している運用のためのプログラムが基本にあり、ユーザーにとっては、一段と内容の理解が進むとみられます。マネックスのプログラム自体が良く出来ているのですが、それに更に具体的な利用法を加味してあります。理論的な解説と背景も適切で、理論的に納得のいかないユーザーにも大きな味方になることでしょう。一般的な投資家向けのマネー誌がここまでレベルを上げて取り上げ解説した事には大いに称賛したいところです。読者にとっては、投資運用の奥深さを認識させるに十分な内容と言えましょう。

一方、「投信大点検!!」は現在の投信業界と投信制度そのものの問題点を捉えていると言えます。中でも
「ここがおかしい、日本の投信」は投信に関わる金融機関の皆さんにはさぞかし恥じ入る点が多いことと思います。業界の皆さんの良心に訴えたいところです。「そんなことを言っても競争に打ち勝たなければいけませんから」と言っていては投信そのものが一般の投資家から見放され、存在意義と基盤を失ってしまうことを認識して欲しいものです。一般の人にとっては、先ず実態を知る必要がありますから、ご一読をお勧めします。投資信託そのものは本来一般の投資家にとって大変に有用な金融商品なのですから、実態を知った上で正しく且つ賢明に活用していかなければなりません。「あつものに懲りてなますを吹く」とならないようにしましょう。「金持ち資産の作り方」を読んだ上で、「投信大点検!!」が指摘するような問題点の出来るだけ少ない投信を選択する自助努力が問われます。

一般の投資家の中で、上記の2冊を読んでいる人はまだまだ限られるでしょう。実はそのこと自体が問題なのです。言ってみれば声なきマジョリティをどうやって導くのかが大きな問題です。確かに「金持ち資産の作り方」は高度な投資理論を分かり易く解説し実践に結び付けようと努力していると言えます。問題はこの本を読んでいない「声なきマジョリティ」を如何にして長期の資産形成の場に呼び込むかにあります。

これは大変に難しい問題ですが、特に若い世代の皆さんの多くの方に公的年金は当てにならないことを認識してもらい、自助努力の場に引きずり込まなければなりません。それには手軽に食べれるインスタントラーメンを提供することでしょう。1回でも食べてみるとその手軽さと味に魅了されるように仕向けなければなりません。もちろんそれには商品が食の安全基準を満たしているものでなければなりません。それが充たされていれば、ある程度の時間はかかっても大きな需要が待ち受けています。投信に関わる金融機関の皆さんがこのことを認識され、社会的な使命感をもってこの問題に取り組んでいただきたいものです。

自画自賛になるようで、気が引けますが、今回私が提案している若年層向けの投資運用プログラム「貴方も始めよう老後の備えーずぼらな猫にも出来るらくちんでローコストなプランとは? ホントかにゃー」は将にそんな狙いで企画したものです。関係各位のご協力を我が家の猫に成り代わってお願いします。


時は流れて

一昨日都心のクラブでランチオン・コンサートが開かれ家内と出席して参りました。主催は三十年余り前に私が米国の大手保険会社で日本株投資のコンサルタントをしていた時にアシスタントや勉強を兼ねて日本の信託銀行からニュウジャージー州の片田舎へ来た、当時は若手の一人が音頭を取っての集まりでしたが、出席された方の中には20年以上もお会いして居なかった方々も多く、時の移り変わりを実感した一時でした。

私自身も過去三十年間に色々な経験をしながら人生を歩んでまいりました。楽しかったこと、辛かったこと、色々な出来事が浮かび上がり過ぎ去った年月が何だったのか、考えさせられる一時でした。私自身は後悔もありませんが、私が海外へ出かけたことが何人かの仲間の人生を大きく変えたことになりました。それを考えますと、単に私だけの事では済まされない何かを考えさせられました。そんな皆さんが私と同様に、ご自分の人生に意義を見出して下されば幸いです。